両親は被害者の妹非難し加害者の兄擁護…渋谷短大生バラバラ殺害初公判
(http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070801-OHT1T00049.htm)
以下引用----------------------------------------------------------------------------------------------------------
東京都渋谷区の歯科医宅で、短大生・武藤亜澄さん(当時20歳)を殺害、遺体を切断したとして、殺人と死体損壊の罪に問われた兄の元歯学予備校生・勇貴被告(22)が31日、東京地裁の初公判で起訴事実を認めた。この日は弁護人側の証人として歯科医である被告の両親、兄の3人が出廷し証言。勇貴被告については「一緒にいて心の和む子だった」とかばう一方、亜澄さんに対しては「攻撃的で感謝の念に欠けていた」などと厳しく振り返った。
「ないと思います」。妹を殺害し遺体をバラバラに切断した兄は「起訴状に間違いは」と問われ、落ち着いた声で罪を認めた。この日、勇貴被告は黒いスラックスに第1ボタンまでしっかり止めた白いワイシャツ姿。証言に立った父親の話はうつむいて聞き入ったが、母親に対してはすがるような視線を送った。
父親は「手のかからない我慢強い子だった」と勇貴被告をかばう一方で、殺された亜澄さんについては「攻撃的で感謝の念に欠けていた」と話した。亜澄さんが高校3年のとき、見知らぬ男性を自宅の部屋に入れたときのことに触れ「『パパが知らない女の人を入れるようなもの』と注意したら、『パパもそうすれば』と言われ、がく然とした」と明かした。
母親は亜澄さんについて「幼稚園から高校までいじめられていた。中学2年からリストカットを繰り返し『むしゃくしゃすると切りたくなる』と話していた。“大事にされたい”という願望が強い子だった」と証言。勇貴被告については「小学校のときの作文で『1億円あったら100万本の花の種を買って、世界を花でいっぱいにしたい』と書いた」などと振り返った。
亜澄さんと不仲だったという勇貴被告の兄は「(自分が)もっと話を聞いてやって愛情を注いでいれば殺されなかった。勇貴もこういうことをせずに済んだ」。そして亜澄さんにプレゼントを渡したときのことに触れ、「フットケアスプレーをあげたら『私の足が臭いと言いたいの』と言われ、投げ捨てられた」と妹の気性の激しさを振り返った。
一方、検察側は冒頭陳述で「妹から『私には女優になってスターになる夢があるけど、勇君が歯医者になるのはパパとママのまねじゃないか』などと親の物まねをしているだけと見下さされたことで、うっせきした憤りが一気に爆発し『黙らせるには殺すしかない』と、殺害を決意した」と犯行の動機を指摘した。
弁護側も冒頭陳述をして勇貴被告は「犯行時、心神喪失か心神耗弱の状態だった」と主張。その理由として「死体の解体作業後、何のためらいもなく肉厚のカツサンドを食べている」などの異常性を指摘した。さらに、亜澄さんが高校3年時、援助交際を行ったり、ファッションヘルス店で風俗嬢として働いていたことなどを挙げ、そうした問題行動も犯行の誘因の一つであるとした。弁護側は勇貴被告への精神鑑定も既に請求しており、動機の解明や責任能力の有無が今後の争点となる。
◆渋谷の短大生殺害事件 2007年1月3日夜、東京都渋谷区幡ケ谷の歯科医宅3階で、武藤亜澄さんのバラバラに切断された遺体を家族が発見した。警視庁は殺人と死体損壊容疑で歯学予備校生だった兄の勇貴被告を逮捕。勇貴被告は06年12月30日午後4時ごろ、亜澄さんの首をタオルで絞め、浴槽の水に沈めるなどして殺害、同6時半から8時半ごろの間、包丁とのこぎりで遺体を切断したとして起訴された。両親は「兄妹は険悪な関係ではなかった。亜澄の死亡と凶行とが結び付かず、苦しみ悩んでいる」とした手記を公表。警視庁は今年2月、凶器とされるのこぎりなど4点の紛失を発表した。
ソーシャルブックマークに登録
(2007年8月1日06時01分 スポーツ報知)
引用ここまで----------------------------------------------------------------------------------------------
この事件の報道を見て思うのは、両親と長兄は厄介者の末娘と、どう足掻いても望まれたレールに乗れない次兄、両方を始末できてせいせいしているんだろうという印象がぬぐえません。
この家では多分長兄が一番大事にされていたのだろう。家を継ぐことが決まってからはその傾向に拍車がかかり、次男は自分も家業を次ぐことで期待にこたえようとしたがどうしても大学受験に成功できなかった。それで鬱屈していた。のだと思った。
他方長女は親の価値観と違うところで生きることを選んだけれど、家を支配する価値と異なるところをよりどころに「家」の中で生きているのはものすごくしんどいことだったと思う。こちらも鬱屈したものがあったように思った。
この家はなんとか「家族から極刑者を出す」という不名誉を避けたいんだろうと感じた。「家族から犯罪者を出す」という不名誉はもう既成事実だから消しようがない、だからせめて「精神的にどうにかしていた」という言い訳をつけて、「正常な状態じゃなかった」ことを強調していたんだろうと。
別のニュースhttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/72360/
以下引用---------------------------------------------------------------------------------------
「180秒首、締めた」 父親は妹の生活態度語る 渋谷・妹バラバラ殺人
東京・渋谷の裕福な歯科医師宅で、妹を殺害した上に遺体を切断するというショッキングな事件を起こし、社会に衝撃を与えた武藤勇貴被告(22)は、東京地裁で31日に開かれた初公判で起訴事実を認めた。両親が「優しく、家族に暴力を振るったことは一度もなかった」としていた勇貴被告は被告人席で身動きすることなく、妹の亜澄さん=当時(20)=を殺害するに至った経緯を詳述する検察官の言葉に耳を傾けた。
勇貴被告は白のワイシャツに紺色のズボン姿で入廷。頭髪は丸刈りが伸びたようだった。首元までボタンを締め、長袖もまくらず伸ばしたまま。秋葉康弘裁判長に証言台の前に促されると、「よろしくお願いします」と一礼した。
「武藤勇貴と申します」。名前を尋ねられ、はっきりした口調で述べた。現住所は「東京拘置所にいます」。犯行があった渋谷区内の住所は、口にしたくないような様子だった。
「ドラマで180秒首を絞めれば人は死ぬという場面を見たような記憶があったことから、1から180まで数えながら(亜澄さんの)首を締め続けた」
検察官の朗読する冒頭陳述が、亜澄さん殺害の場面に至ると、被告人席に座った勇貴被告は、ときおり肩で大きく息をしながら、目をつむり続けていた。
証拠調べに入り、検察側、弁護側双方が調書内容などを読み上げる際も、背筋を伸ばしたまま、目をつむり聞いていた勇貴被告。検察側が、犯行に使用したタオルなど証拠物を示すと、証言台の前で小さくうなずき、自分のものであることを認めた。
弁護側が「亜澄さんの遺体についた髪の毛が気持ち悪く、何度もシャワーで洗いながらゴミ箱に捨てた」とする勇貴被告の供述調書を読み上げても、表情を変えず、目を閉じたままだった。
その後、弁護側の証人として父親が入廷。勇貴被告は目を閉じたまま、顔を合わせようとしない。父親は、勇貴被告を「皿から落ちた菓子も食べない潔癖性だった」と話し、亜澄さんのことは「非常に気が強く、人の話を聞けず、感謝の念に欠けていた」と話した。勇貴被告は父親の証言を、時折口をかみしめるようにしながら、目を閉じて聞いていた。
「亜澄が家出から戻ってきても、謝ったこともない。強い態度を取って『また出ていく』といわれたこともあります」
父親の口からは、亜澄さんの生活態度の問題点が次々に語られた。
また、亜澄さんが友人に「他の兄弟と差別されている」などと話していたことについても、父親は「自分の思い込み」と否定した上で、「人に哀れんでもらって、自分に対する気を引いて優しくしてもらいたかったんだと思います」と証言した。
「今、勇貴被告に言いたいことは」と弁護人から問われ、「勇貴には家庭内の事情を伝えておけばよかった」と背中を丸め、家庭内のコミュニケーション不足を反省する父親の姿を、勇貴被告は少し身を乗り出すようにじっと見つめていた。しかし父親が証言を終え、退廷する際は、一度も父親をみることはなかった。
関係者によると、勇貴被告が拘置されている東京拘置所には、両親や兄が接見に訪れ、差し入れなどをしている。今年1月に逮捕されてから拘置が続いているが、体調も崩していないという。
勇貴被告は、接見した弁護人の前で「マスコミの取材で仕事ができなくなってしまうのではないか」などと、両親を気遣っていた。
一方、亜澄さんに対して「傲慢(ごうまん)だ。ヒステリックだ。恩知らずでわがまま」などと厳しい言葉を浴びせたこともあった。また、「亜澄の頭の上にタオルを乗せて血を止めている夢を見た」などと話し、涙ぐんだこともあったという。
弁護人によると、初公判で証人出廷する両親と兄は、勇貴被告に厳しい処罰感情を抱いていないという。
引用ここまで`-------------------------------------------------------
これも先にあげた仮説を証明するようなことが書いてありますね。
家出から戻って謝るってなんで?(まあこれは個人差にしても)「ほかの兄弟と差別されているのは思い込み」、どうしてそう言い切れる?(当事者の証言は無意味である、なぜなら「兄弟の間に格差を作って育てるのは一般的に悪いこと」であるから、「一般的に理想的な家庭」であるこの家庭の人間がその規範に外れたことを言うはずがないからだ)
家庭の外の人間から見れば立派に差別して育ててますよ。よかったですねお父さん。